トンプソンのモチーフインデックス電子版についてのお話

トンプソンのモチーフインデックスというのは,世界中のお話のモチーフを網羅した(と言われている)インデックス本である.

元々は6巻から成る本なのだが,最近では電子版も公開されている.

さて,この本の困ったところは,この本は「あくまでモチーフの列挙を行なっただけ」(それで十分すごいことなのだが)で,決して,「モチーフ物語にタグ付けしたわけではない」ということ.

つまり,モチーフタグで指定された物語を探すには,地道に書誌情報を検索して,地道にページをめくって探さなくてはいけない.

しかし,ここで問題が生じる.

モチーフタグ付き物語の電子版が欲しい時はどうすればよいのか?

少なくともぼくが知る限り,そんなものはほとんど存在していない.

そこで,「自動でモチーフタグ付きのコーパスを作るにはどうすればいいのか?」の可能性を検討する.

トンプソンモチーフインデックスの電子版

http://www.ruthenia.ru/folklore/thompson/

トンプソンのモチーフインデックス電子版は省略表記が使われている.

省略表記のままでは,「元の物語がどこにあるのか?」という要望に答えることができない.そこで,省略表記と正しい書誌情報の対応表を探してみると,Wikisourceにそれらしいのがあった.

http://en.wikisource.org/wiki/Motif-Index_of_Folk-Literature/Volume_1

のページ下部にその表記がある.

どうやら,トンプソンのモチーフインデックスの一部はすでにpublic domainとして公開されているらしい.

物語をWeb上から探し出すことはできるのか?

わからない.そもそも物語がweb上にある可能性があるのか?すらわからない.

だけど,可能性ならある.

http://www.sacred-texts.com/index.htmというサイトがある.Story SearchのRichardによると,少なくともトンプソンが自ら執筆したアメリカ先住民物語コレクションはここに公開されている.

http://www.sacred-texts.com/nam/tnai/

と,いうことは他の書籍も同じく公開されている可能性だってあるわけだ.

自動でトンプソンのモチーフインデックスのタグ付き物語コーパスを構築することもできる?かもしれない